「せっかくデオドラント剤を使うなら、自分の好きな香りのものを使いたい」「無香料ではもの足りない、つまらない」と思っていませんか？
または、体臭が気になるから香水やコロンでカバーしようとしていませんか？
様々な香りアイテムが売られていて迷ってしまうほどですが、体臭対策として選ぶ際は、注意が必要です。
「香りづけ」と「消臭」は異なります！
「香りづけ」は、嫌なニオイをごまかすためのものではありません。良い香りのものも、体臭と混ざることで変化して、本来の香りでなくなってしまいます。ニオイはよりきつく、不快なものになります。デオドラント剤の香り成分であっても、ワキガ臭と混ざるとより強くなってしまいます。
（昔は体臭をごまかすために香水などが使われていた時代もありましたが、現代では考えられないほど強烈なニオイが充満していたことでしょう）
現代でも、香水やコロンなど「香りづけ」で体臭を対策しようとして、逆効果になっている人が多くいます。
誰でも自分の臭いには気づかないため、香りでごまかそうとすればするほど臭いはますますきつくなってしいます。注意しましょう。
ニオイの不思議
ニオイは、混ざることで、全く別のニオイになります。
また、同じニオイでも、濃度により印象は異なります。少量であれば良い香りでも濃いと悪臭になります。
驚くような例も！
足のニオイ（もしくは納豆の臭い）にバニラの香りが混ざると、チョコレートのような臭いに変化します。レモンを混ぜた場合は、コーラに似た臭いになるそうです。
シャネルの香水にも、カメムシと同じにおい成分がほんの微量ですが含まれているそうです。
ムスクの香りの原料とされる「ジャコウ」は薄めると良い香りですが、濃い原液はとても不快な臭いです（現在は科学的に合成して似た香りを作っています）。
その他にも様々な香水やワインなどの「良い香り」を構成する成分の中には、単独では悪臭であるものも含まれています。様々なニオイ成分が複雑にからみあうことで、奥行きのある芳香になるのです。
もちろん、逆の場合もあります。加齢臭の原因物質であるノネナールは、単体では臭いものではありませんが、他の臭いと混ざると、不快なニオイとなります。
ニオイのブレンドは難しい
このように、ニオイはとても不思議な性質があります。
こういった特性を利用して、悪臭を良い香りに変える研究がされており、オムツやごみ処理用品として開発・製品化されています。
ですが、ワインや香水は、調香師や醸造所のプロが、何十年もかけ試行錯誤して作り上げたもの。開発された衛生用品なども、企業が研究・開発した結果です。
良い香りを作り出すということは、至難の技であり、素人にはとても難しいことです。
特に体臭は、他のニオイと混ざることで、より強く・より不快になりがちです。
体臭が気になる人は、他の香りと混ざらないように、まずは無香料のものでしっかり消臭を！香りを楽しみたい場合は、その後にしましょう。
香りのブレンドは日本では難易度高
海外では、体臭と香水をなじませる上級テクニックを使いこなす人もいますが、これは普段から香りに慣れていない日本人にとっては難しいものです。また、日本の高温多湿な気候は、香りがより強くなるためブレンドはあまり向いていません。
体臭ケアと香りづけは、別にしたほうが良いでしょう。
文化的背景からも日本では無臭が好まれる
日本人はニオイには敏感で、体臭、香水にかかわらず、強いニオイは好まれません。
世界でも珍しいほど、香水が売れない国だとも言われています。
環境や文化的な背景からも、無臭、もしくはほのかな香りが好まれる傾向です。
ビジネスシーンや公共の場所では、スメハラにならないよう注意と配慮を。
結論：体臭が気になる場合は無香料の消臭剤を！
香りづけと消臭は別物です。体臭を香水などの臭いでごまかそうとするのは逆効果。他のニオイが混ざることで、より強く不快な臭いになります。そのうえ、自分自身は嗅覚が順応（鼻が麻痺）して気づかず、周囲に不快な思いをさせてしまいがちです。
ワキガが気になる人や体臭が強い人は、まずは無香料の消臭剤でケアを。香りを楽しみたい場合はその後で。
ただし、どんなに良い香りであっても、強すぎると不快になるので、使用量にはくれぐれも注意を。
