近年は清潔志向の高まりとともに、ニオイに敏感な人も増えています。
他人に不快な思いをさせないように気を配ることは良いことですが、あまりにも自分のニオイを気にしすぎて、社会生活に影響が出るほどに思い悩む人もいます。
自分の臭いが原因で、周囲の人に不快な思いをさせているのではないかと不安になって仕方がない・・・
そんな場合は、「自臭症」かもしれません。
■自臭症(自己臭症)って?
自臭症(自己臭症)とは、実際には臭くないのに、自分が不快なニオイを発していると思いこむ、心因性の症状です。
自分の体臭やワキガ、口臭などが強く、他人に不快な思いをさせていると思い悩むようになります。
・自臭症は心の問題
自臭症は、実際のニオイとは別の、心の問題です。
几帳面な人や潔癖な人、デリケートな人に多くみられる傾向です。
また、たまたまニオイが強かった時に、他人からニオイを指摘され、それがきっかけで発症することもあります。
ただし、自臭症を訴える人は、普通の人以上にニオイケアに気を使っていることが多く、実際に普段から臭いがきつい人はほとんどいません。
・他人の言動を自分のニオイのせいだと思い込む
自臭症になると、他人の何気ない仕草が、自分の臭いのせいだと思うようになります。
「周囲の人がせき払いをした」「話している相手が口や鼻に手を当てる仕草をした」「職場の人がマスクをしている」などのささいなことであっても、「自分が臭いせいだ」と過剰に反応してしまいます。
そして、自分が周りの人を不快にさせている、嫌われている、避けられていると思い悩みます。
においがしないのににおいを感じる「幻臭」の症状が出ることもあります。
エスカレートすると、対人恐怖となり、人と接することを避けて引きこもったり、うつ状態になってしまうなど、社会生活が送れないほど深刻な状態になります。
■自臭症で悩まないために。客観的にニオイを判断するには?
自分の臭いに必要以上に悩まないためには、客観的に自分のニオイを知ることが大切です。
病院や歯科医院を受診して、ニオイを測定して客観的に判断してもらうとよいでしょう。
・何科に行けばいいの?
悩んでいるニオイの場所に応じた診療科を受診しましょう。
・ワキのニオイ、体臭→皮膚科
・口臭→歯科・口腔外科(口臭外来などを行っており、専門的に診てくれるところがおすすめです。)
・その他体内から発生するニオイ→内科、または症状に応じて消化器内科、循環器科など
客観的に問題ないと判断され、それでもニオイが気になる場合は、心療内科を受診しましょう。
・自分で手軽にチェックできるアイテム
手軽に自分でニオイを測定できる専用の機械も販売されています。
タニタ 体臭チェッカー
https://www.tanita.co.jp/product/g/_TES100BK/
コニカミノルタ クンクンボディ
https://kunkunbody.konicaminolta.jp/
こういった商品を利用して自分のニオイをチェックするのもおすすめです。
※「ニオイの種類によっては、測定できないものもあるため、購入する際はメーカーに問い合わせてください。
■生活習慣を整え、ケアしていれば大丈夫
生き物である以上、人は誰もが完全に無臭ではありません。ですが、他人が不快に思うレベルでなければそれほど気にする必要もありません。
健康な人であれば、毎日体を洗って歯を磨いて清潔を心がけ、食生活に気を配り、適度な運動を行うこと。
そのうえで、汗をかいたときはこまめに着替えたり、デオドラント剤等でケアをすれば充分です。
デオドラント剤は、実際のニオイをケアしてくれるだけでなく、心理的な不安を取り除く安心材料にもなります。
ぜひうまく活用して、不安の解消に役立ててください。
重度のワキガであっても、手術という選択肢もあるため、思い悩む必要はないのです。
ただし、においが気になるあまり、気になる部分を何度も強く洗ってしまうという方がいますが、これは皮膚のバリア機能を壊してかえってニオイが強くなる原因になります。正しく丁寧に洗うようにしましょう。
■まとめ
自分のニオイに必要以上に敏感で、不安で仕方がないという人は、自己臭症の可能性があります。
自己臭症は実際のニオイではなく、心の問題です。エスカレートすると、他人と接することが苦痛になり、社会生活が困難なほどになります。適切な診療科を受診しましょう。
また、普段からの生活習慣に気をつけ、しっかりとニオイのケアを行いましょう。安心感が自信につながります。デオドラント剤をうまく活用して、毎日を快適に過ごしましょう。