夏場の暑さは年々厳しくなってきています。熱中症リスクも高まるので、これまで以上に気をつけなければいけません。
一方で、汗についての悩みも増加しています。
汗をかいたときに気になることのナンバーワンは、やはり「におい」。
次いで「洋服の汗ジミ」が続きます。
においや汗ジミが気になって、人前で堂々と振る舞えないのはイヤですよね。
ですが、汗は私たちの身体にとってとても大切なもの。止めてはいけません。
「汗をかきたくないから、水分を控える」という人がいますが、これはNGです。
しっかりと水分をとって良い汗をかきつつ、ニオイ対策や汗ジミ対策を行う。
これが、暑い夏を健康かつ快適に過ごせるポイントです。
汗には大切な役割があります
汗には、私たちの身体にとって大切な役割があります。
肌の保湿、肌のバリア機能を保つ働き、そして最も大切な働きが「体温調節」。
体の熱が上昇したとき、汗をかくことで、体の表面から汗が蒸発して熱を奪い(気化熱)、体温を保ちます。
そのため私たちの体には熱がこもらず、正常な状態が保たれます。
汗は、熱から体を守っているのです。暑いときに汗をかくのは、必要なことなので、とめてはいけません。
汗を止めるはたらきのあるデオドラント剤を全身に使用することもNGです。
(※ワキの下や足の裏など部分的に使用するのはOKです)
しっかり水分をとって、汗をかくようにしましょう。
汗が気になるからといって水分補給しないのはNG!
汗が気になるからといって水分を摂らないと、脱水状態となり消化や排泄機能に支障をきたします。
特に夏場は熱中症リスクが高まり危険です。水分はしっかり補給しましょう。
夏場や運動時は水分だけでなくミネラル分の補給を
夏場やスポーツ時は、大量に汗をかくことで、体内の水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
このとき、水分だけを補給すると、体内の電解質の濃度が薄くなります。すると体はこれ以上電解質濃度を薄めないよう、水分を排出します。その結果、ますます水分不足になってしまうのです。(極端に電解質濃度が下がると、めまいや嘔吐が起こる「水中毒」の危険もあります。)
これを防ぐためには、水分と電解質の両方を補給すること。水分補給にはスポーツドリンクなどを飲むようにしましょう。
塩分(ナトリウム)を多く含む塩飴やナトリウムのサプリメント等を摂取することも有効です。
冬場であっても脱水には注意
冬場から春先にかけて、寒い季節は喉の渇きを感じにくいため水分摂取が少なくなりがちです。
喉の渇きを感じる前にしっかりと水分補給を行いましょう。目安は、1時間あたりコップ1杯位の量を少しずつ。
マスク着用時は喉の渇きを感じにくいため要注意
夏場であってもマスクをつけているときは、喉の渇きを感じにくくなります。そのため水分摂取を忘れ、脱水状態になりがちです。
夏場の脱水は特に危険です。喉が乾いたと感じる前に、こまめな水分補給を心がけましょう。
水分不足は体臭ケアの面でもNG
水分が不足して脱水状態の体は、体臭も発生しやすくなります。
体内の水分が不足すると、汗に含まれる老廃物の濃度が高くなります。
すると、かく汗には老廃物が多く含まれ、臭いやすい「悪い汗」となり、短時間でニオイが発生します。
また、水分の不足は便秘・腸内環境の悪化を招くため、腸内からのニオイ発生の原因にもなります。
さらに、唾液の分泌が減り口内細菌のバランスが崩れることで、口臭の原因にもなります。
水分の不足は、健康面でも体臭ケアの面でもNGです。
しっかり汗をかいて、汗の臭いを防ぐ対策を!
健康面でも体臭ケアの面でも大切なのは、含まれる老廃物が少なく臭いにくいサラサラの「良い汗」をかくこと。
日頃から水分をしっかり摂り、運動や入浴で汗をかく習慣をつけることで汗腺が鍛えられ「良い汗」をかけるようになります。
良い汗は比較的ニオいにくいですが、それでも時間の経過とともにどうしてもニオイは発生してしまうもの。
良い汗をかきつつ、ニオイの対策をしっかり行うのがベストです。
かいた汗のニオイを防ぐには
かいた汗はこまめに拭き取り、デオドラント剤を使うなどの対策を行いましょう。
汗を吸収する衣類は、菌が繁殖してニオイの発生源になりがちです。
汗をかいたらこまめに着替えるのが理想ですが、難しい場合は衣類に抗菌・消臭機能をもたせる衣類用デオドラント剤を使用すると良いでしょう。
効果が長持ちするものであれば、汗をかいてもずっとにおわず快適に過ごせます。
「濡れタオル」を使って汗をふくのがおすすめ!
汗を放置すると細菌が繁殖します。汗をかいた場合はなるべく早く拭き取りましょう。
また、乾いたタオルではなく、濡れタオルで拭くのがおすすめ。
乾いたタオルで汗を拭くと、皮膚の水分を吸収して、汗が蒸発する時に体温を下げる働きが妨げられます。
また、水分は吸収されますが、汗に含まれる成分や菌は肌に残るので、ニオイ発生の原因に。
汗を拭く際は、タオルに水を含ませて濡れタオルにして拭きましょう。汗ふきシートも有効です。
濡れタオルは、汗を吸いますが、水分が肌に残るため、皮膚の体温を下げることができます。
さらに、汗に含まれる老廃物や皮脂、菌も拭き取ることができるため、汗のニオイを防ぐことができます。
このとき注意したいのは、ゴシゴシと拭き取らないこと。
ゴシゴシこすると必要な皮脂や角質が奪われ、皮膚のバリア機能を壊してしまうので、体臭ケアには逆効果。
汗を拭く際は、こすらずに、そっと汗を吸わせるように拭きましょう。
洋服の汗ジミ対策
人目が気になる、洋服の汗ジミ。目立ちやすさは洋服の色や形、柄によって異なります。
以下が目立たせないためのポイントです。
・インナーを着用(ニオイ対策にはインナーには綿100%のものがおすすめ)して、その上に汗ジミが目立ちにくい化学繊維のものを重ねる。
・なるべくゆったりしたデザインで、白・黒・ネイビー色をベースにした柄物がおすすめ
・腋汗には汗とりパッドを使用する
詳しくは、こちらの記事にてご紹介しています。
まとめ
ニオイや汗ジミが気になるとはいえ、汗には体にとって大切な役割があります。
水分補給をしっかり行って、良い汗をかいて、熱中症を防ぎましょう。
そのうえでニオイ対策や汗ジミ対策を行って、快適に過ごしましょう。
汗をかかないようにするのではなく、かいた汗の対策が大切です。